顔のたるみ特集

今月の特集:”良質な睡眠”という美容<前編>

suimin1.jpg 桜が咲きはじめ、少しずつ春の景色へと変わりつつあるこの頃。春は「春眠暁を覚えず」ということわざの通り、気候がよく寝心地がよいので、朝明けたことにも気付かないほど眠りやすい”睡眠”には最適な季節です。

人生のうち約3分の1もの時間を占めている”睡眠”。いつまでも美しい肌を保つためにも”良質な睡眠”をとることは非常に大切です。 それは人間の身体の細胞が睡眠時間に新陳代謝を行う仕組みをもつため。十分に睡眠がとれていないと、肌細胞の修復、再生がうまく行きにくく、肌荒れや老化が進みやすくなります。また、睡眠不足で自律神経の働きが乱れると、ホルモンバランスが崩れ、肌の代謝や免疫力が低下、結果、肌トラブルも起こりやすくなります。

このように美肌作りと深く関わりのある”睡眠”、となれば気になるのは良質な睡眠とはどのような眠りか?理想的な睡眠時間は何時間か?適した睡眠環境とは?など、気になる事柄がたくさん挙がるのではないでしょうか。

そこで、今回の顔のたるみ研究所では日本人の睡眠習慣の現状を踏まえ、良質な睡眠について睡眠改善インストラクター内海裕子さん監修のもと詳しくご紹介。季節は冬から春へと少しずつ移り変わり日の出も早くなりました。良質な睡眠をとって、気持ちよく目覚め、朝日を浴びて美肌を作りましょう。

《もくじ》

Ⅰ 顔のたるみと睡眠ってどんな関係があるの?

Ⅱ 【実態】日本人の睡眠の現状とは?

Ⅲ 睡眠について知ろう! Part1

なぜ人は眠るの?

睡眠には2種類<レム睡眠>と<ノンレム睡眠>がある!

Ⅳ 【実践】良質な睡眠をとるための5か条  ~ 睡眠はリズム!朝・日中の過ごし方が良質な睡眠のカギ~

<リズム編>

1. 目覚めたら朝日を浴びて、体内時計を刺激する

2. 自分に合った睡眠時間を知る

<習慣編>

3. 規則正しい生活習慣を心掛ける   ・・・次号にて紹介

4. 就寝前はリラックスする        ・・・次号にて紹介

5. 快適な睡眠は自らつくり出す     ・・・次号にて紹介

Ⅴ 【Q&A】睡眠改善インストラクター内海裕子さん直伝 ~こんなときどうすれば良いの?~

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睡眠不足で、肌の調子が悪い、化粧のりがイマイチ・・・など感じた経験はありませんか?仕事や家事などで肌に悪いと分かっていても理想とする睡眠時間を確保できない方も少なくないはず。では、顔のたるみなどの「肌トラブル」と「睡眠」にはどのような関係があるのでしょうか。

睡眠中に分泌される成長ホルモンが肌の<修復・再生>をするといわれています!!

肌は、日中、常に紫外線や外気ストレスなどにさらされダメージを受けています。そんな肌を元気に復活・再生させるのが「睡眠」です!人は、眠り始めるとすぐに深い眠りである「ノンレム睡眠」に入ります。(参考:睡眠には2種類 <レム睡眠> と <ノンレム睡眠> がある!)この時、脳の中央部に位置する脳下垂体前葉から「成長ホルモン」が活発に分泌されるのですが、このホルモン分泌こそが肌の修復・再生に必要不可欠なものです。

成長ホルモンは① 肌の細胞分裂を促して新しい細胞をつくり出す(ターンオーバーの促進)② ダメージを受けた細胞を修復して再生させるといわれ、深く良質な睡眠は、どんな美容液もかなわない最高の美容法なのです。

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美しい肌がつくられるシンデレラタイムを意識して眠ろう sui10-1.bmp

成長ホルモンは、活動している日中にはあまり分泌されず、夜、しっかりと身体を休めてリラックスして寝た”ぐっすり睡眠中”に分泌されます。特に、 入眠直後の3時間は、お肌のシンデレラタイムといわれています。それは、入眠後、約30分後から始まる一日のうちで最も深い眠り(徐波睡眠)を合図に成長ホルモンが最も多く分泌されるためです。 夜更かしをしたり、睡眠時間が不規則になることで、ホルモンバランスや体内リズムが崩れたり、ターンオーバーが乱れると、乾燥やくすみ、しみ、シワ、たるみといった肌トラブルにつながることも出てきます。このように「睡眠」と「たるみのない美しい肌をつくること」は密接な関係があるのです。

※ターンオーバー:健康的な肌は28日周期でターンオーバーが行われ、皮膚の奥で生まれた細胞が少しずつ表面へと移動し、最後に肌表面の角質(垢)となって剥がれ落ちます。毎日細胞が生まれ、古いものは剥がれ落ちていくという正しいサイクルが繰り返されることで、肌は若々しく美しい状態を保てます。

成長ホルモンの分泌は加齢とともに減少・・・

ゆえに、自らが良質で深い眠りをとるよう意識することが大切

成長ホルモンは加齢とともに分泌が減少していきます。その分泌量は、思春期前の値を100%とすると、思春期後期で多くなり200%と2倍くらいになります。その後はどんどん少なくなり、30・40代では50%、60代では30%まで減少します。 美しい肌を保つためには、なるべく自分の身体から成長ホルモンが分泌されるように深く良質な睡眠をとるよう意識することが大切です。

眠りを誘うホルモン「メラトニン」には抗酸化作用がある!!

眠りを誘うホルモンとして知られる「メラトニン」は、脳にある「松果体」で生成されるホルモン。体内時計によって分泌が制御されているメラトニンは、目が覚めてから14~16時間後に分泌が始まるといわれています。つまり、朝起きた時間で分泌される時間が決まるため、週末などに「寝だめ」と称してお昼近くまで寝ていると、睡眠を誘発するホルモン「メラトニン」の分泌が遅くなり、いつも眠る時間になっても、自然な眠気が訪れないという状況に陥り易くなります。メラトニンの分泌が始まると、心拍数や体温が下がりはじめ、2~3時間後に眠気を感じて4時間後には分泌がピークに達します。また、メラトニンは明るい光により分泌が抑制されるともいわれています。そのため、夜は薄暗い環境で、目に入る光の量が50ルクス以下(なんとか新聞が読める程度の明るさ)で過ごすことが大切です。

そんなメラトニンは、眠りを誘うだけでなく、ビタミンEの2倍近い「抗酸化作用」があるといわれ、細胞にダメージを与える活性酸素を除去し、老化を防ぐことが期待できます。

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人は、日中に活動して夜に眠るというのが本来の姿ですが、24時間社会の今、睡眠を取り巻く環境は大きく変化しています。 生活習慣の一部である睡眠は、脳や身体を休息させ、疲労を回復し、調子を整えるなど、健康の保持や増進に欠かせないものです。そのため、十分な睡眠がとれていないと、集中力や判断力の低下といった脳機能への影響や、免疫機能の低下、高血圧・肥満などのリスクの上昇、さらに肌トラブルや老化を引き起こす原因にもなります。 では、現在、日本における睡眠の実態はどのようになっているのでしょうか。

sui3.bmp sui4-1.bmp 1976年以降の30年間の推移で目立っているのは、男女とも、睡眠時間の減少と身の回りの用事(趣味や家事など)の時間の増加です。男性については、睡眠が38分短くなっており、身の回りの用事は15分長くなっています。女性については、睡眠が29分短くなっており、身の回りの用事が23分長くなっています。このように、睡眠の減少に身の回りの用事の増加がほぼ対応していることから、この30年間、日本人、特に女性は睡眠を減らして、身の回りの用事を増やしてきたと推測されます。

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そもそも睡眠はなぜ必要なのでしょうか。また睡眠をしているとき、私たちの身体にはどのような変化が起きているのでしょうか。

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睡眠の目的は「脳や身体に休息を与えて、疲労を回復させ、調子を整える」、「身体の成長や身体や肌の機能修復を促す」などであるといわれています。

脳や身体を休める

人が起きている間、脳は多くのエネルギーを消費しながら膨大な仕事をこなし、常に活動しています。ゆえに徹夜の仕事などで脳を酷使すると、集中力や記憶力が低下したり、イライラするなどの現象が現れてきます。それは、例えるならばパソコンを長時間稼動させることでオーバーヒート状態となり動作が遅くなるのと同様の現象。しかし、パソコンは電源を切ることで休息できますが、人はスイッチを切ることができないため、睡眠をとることによって脳に休息を与え、以後の活動のためのエネルギーを蓄えることが必要になります。脳の疲れは、眠りによってしか解消することができません。 また、身体の疲れは横になったり栄養を摂ることである程度は回復しますが、眠ることで身体を休めて疲れを解消することで、より元気な活動をサポートします。

副交感神経を優位に働かせ心身を休息させる

身体が休んだだけでは、休息したとは言えません。交感神経(体を動かしたり考えたり、行動したりしているときに働く神経。血液を脳に多く送り込む役割を持つ)、および副交感神経(心が安定していたり落ち着いているときに働く神経。緊張硬直状態から緩やかな状態に体を切り替える役割を持つ)の2つからなる自律神経の中でも、副交感神経を優位に働かせて身体をしっかりとリラックスさせたり休息を促すことで心身の調子を整えます。

 

ホルモン分泌を促して、細胞の新陳代謝を活性化する

人は様々なホルモンを分泌していますが、睡眠中には「成長ホルモン」などが分泌されます。成長ホルモンは、乳幼児期や学童期には、骨や筋肉などの発育に必要な役割があります。「寝る子は育つ」ということわざは、科学的な根拠があるのです。 大人になってからは、身体や肌などの機能修復に大きな影響を及ぼします。成長ホルモンは様々な組織に作用し、タンパク質の同化や細胞の分化・増殖を促進し、皮膚も活き活きとさせるのです。

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レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠は、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類に分類することができます。

睡眠の周期は下図の通りで、まずは眠りに入った直後にぐんと深い眠りのノンレム睡眠に入り、脳も身体も休息します。その後、浅い眠りからレム睡眠に入り、また深いノンレム睡眠へと誘われます。明け方が近づくにつれて、浅い眠りが多くなり、レム睡眠の時間も長くなっていき、やがて覚醒します。 個人差はありますが、健康的な成人ではこれら2種類の眠りが約1.5時間単位で繰り返され、一晩に何回か繰り返して朝を迎えます。ぴったり1.5時間ではないので、こちらも個人差がありますが、寝入った時刻から、約4.5時間、約6時間、約7.5時間と眠りが浅くなったタイミングで目覚めるようにすれば、比較的目覚め良く起きることができます。

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「レム睡眠」とは?

レム睡眠とは、急速眼球運動(rapid eye movement=REM)を伴う睡眠を意味しています。急速眼球運動とは、閉じた瞼の下で眼球がきょろきょろと動くことを指し、身体は休息状態なのに、脳は深い休息に入らず覚醒に近い状態で活動しているため、夢を見ることが多い眠りです。そのため、レム睡眠の最中に起こされると、夢を見ていたことをハッキリと認識できる傾向があります。

「ノンレム睡眠」とは?

ノンレム睡眠とは、レム睡眠でないことを意味した深く安らかな眠りです。ノンレム睡眠は、浅い状態から、ぐっすり熟睡している状態まで、脳波をもとに4段階に分けることができます。 睡眠の中で最も深い眠りのときに成長ホルモンの分泌が多いことが分かっており、それにより、細胞の新陳代謝を高めたり、免疫力を強化する活動が行われているといわれています。また、筋肉の活動は休止していませんが、脳は休息状態になります。体温は少し低くなり、呼吸や脈拍は非常に穏かになってきて血圧も下がります。大脳の活動が休息状態に入りぐっすり寝ている状態ですので、多少の物音がしたり、軽く揺さぶられても目が覚めることはありません。もしノンレム睡眠の最中に強制的に起こされたとすると、人体はすぐさま活動を開始することができません。脳の中でも最も大きい大脳が休止状態から活動を開始するまではしばらく時間が必要で、それまでの間はいわゆる「寝ぼけた」行動をしてしまうことになります。ちなみに、ノンレム睡眠の最中にも夢を見ることがないとは言えませんが、仮に見たとしてもそれを本人が覚えていることはありません。

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taiyou1.jpg 目覚まし時計がなくても、大体決まった時間に目覚める習慣のある人も多いのではないでしょうか。これは脳内に「体内時計」と呼ばれる時間(リズム)を計る仕組みがあるために起こる現象です。 体内時計は全身に存在し、それぞれが身体の中でさまざまなリズムを刻んでいます。その中に、睡眠の周期にみられるような約1日のリズムがあります。 この約1日のリズムは、正確な24時間ではなくおよそ25時間であるといわれています。 普段は外界のリズムなどが主時計を調整する役割をして、体内時計のズレをリセットしていますが、生活リズムが不規則で、外界のリズムが体内時計をリセットしにくくなると、1日25時間という体内時計の生得的なリズムで生活する結果になったり、夜間に強い光を浴びると、体内リズムが延びてしまうことにより日中に眠気を引き起こしやすくなったり、体内に様々な不調を引き起こします。

そこで、 体内時計をリセットしてリズムの調和を図るためには、毎日だいたい同じ時刻に起床し、太陽の光を浴びるよう心掛けることが大切です。脳には「マスタークロック(主時計)」と呼ばれ、全身のほぼ全ての細胞にあるといわれる体内時計へ号令を出すといわれる核「視交叉上核 (シコウサジョウカク)」があります。太陽の光(2500ルクス以上の明るい光)は、目を通じて脳内のマスタークロックを刺激し、体内時計を1日24時間のリズムにリセットする役割をもつといわれています。そして、そのリズム調整が快適な睡眠の確保につながります。 また、光を浴びることは、体内時計のリズムの調和を測るだけでなく「セロトニン神経」の働きを活発化させ、日中、前向きに活動的に過ごせる状態を作り出し、朝もスッキリ目覚めることができるよう働きかけます。

カーテンを少し開けて、朝の光を感じる>

もし遮光カーテンを使用していたら・・・?遮光カーテンで朝日を遮断していると目覚めの悪さにつながります。目は瞼を閉じていても光を感知しているので、空が少しずつ明るくなって朝を迎えたことを身体が感知できるよう、カーテンの隙間を少し開けておくことをおすすめします!

五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を刺激する!

朝起きてから”五感”を刺激すると、身体が活動モードに切り替わります。

視覚 : カーテンを開けて太陽の光を浴びる など

聴覚 : テレビやラジオをつける、家族と会話をする など

嗅覚 味覚 : 朝食を摂る、アロマオイルを活用する など

触覚 : 軽いストレッチ、シャワーを浴びる など

suiminQ&A1.bmp 朝活したいのに早く起きれない。スムースに起床するための秘訣は?

休日に寝だめをするのは肌に効果的?

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tokei.jpg 快適で理想的な睡眠時間は、人それぞれに個人差があります。 特に年齢の影響は大きく、10代では8~10時間、成人以降50代までは6.5~7.5時間、60代以上で平均6時間弱と、年齢を重ねるほど概して必要な睡眠時間が短くなることが報告されており、無理に長時間眠ろうとすることで、睡眠の質を低下させることがあるので留意が必要です。また、睡眠時間の長短で分けると、睡眠時間が6時間以下でも心身の疲労回復ができる「ショートスリーパー」と、9時間以上眠らないと疲れがとれない「ロングスリーパー」がそれぞれ人口の1%いるといわれ、それ以外の大多数は6~9時間の睡眠時間を必要とします。 ただし、精神や身体の状態、季節によっても、必要な睡眠時間が違ってきます。やる気に満ちているときは睡眠時間が比較的短くても大丈夫ですが、ストレス過多で疲れているときは長い眠りを必要とします。また、夏は睡眠時間が短くなり、冬は長くなる傾向があります。これは日照時間が関係しているといわれています。このように睡眠時間は年齢や状況や環境によっても異なってきます。

理想の睡眠時間を知る簡単な方法は・・・自分の身体、脳に聞くこと!!

毎日ひどい睡魔に襲われたり、朝の目覚めが悪い・・・という人は、睡眠時間が少ない証拠かもしれません。自分に適した睡眠時間は、自分の身体(脳)だけが知っています。必要とする睡眠時間を知るには、一週間周期で睡眠時間を変えていき、日中に過度な疲れや眠気を感じることはないか?頭はすっきりしているか?といった状況の有無で自分にとって一番適した睡眠時間を判断します。また、睡眠時間を変える場合は、起床時間は決まっている方がほとんどなので変えず、就寝時間を23時、23時半、24時・・・と変えていき、その中で一番朝目覚めが良く、日中頭が冴えて、集中力が高く、夜もぐっすり眠れるという時間を見つけることをおすすめします。

suiminQ&A1.bmp ショートスリーパーになることは出来るの?

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美しい肌を保つために、健康の維持に、とても大切な睡眠。

今号では前述でご紹介した通り、美肌と睡眠の関係や睡眠の基本、良質な睡眠をとるための法則を睡眠改善インストラクター内海裕子さん監修のもとご紹介してきました。ここでは、より良質な睡眠を得ていただくだめに、こんなときどうしたらよいの?という疑問を集めてご紹介します。気になる疑問を解決して、今晩からより質の良い眠りの時間を過ごしましょう!

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朝、スムースに起床するには就寝時間を早めればよいのでは?と思う方もいるのではないでしょうか。しかしそれは誤り。朝早く起きるためには、就寝時間ではなく朝の「起床時間」が重要なのです。それは、人がもつ体内時計が、朝起きた時間で「メラトニン」と呼ばれる睡眠ホルモンの分泌時間を決めているためです。朝早く起きることで、通常よりも早くメラトニンが分泌されると早い就寝へ、そして、翌日の早い起床へとつながるのです。

では、どのようにすれば朝スムースに起床できるのか?そのポイントは3つあります。 1つ目に、睡眠不足や不規則な睡眠にならないようにするということです。睡眠が不足している状態や、深い睡眠中に目覚めると睡眠慣性は強く働き、目覚め難かったり、ボーッとしたり、目覚めた後のだるさも強くなりがちです。

2つ目に、朝日を浴びることが大切になります。人は、朝目覚めると頭がボーッとしてだるく、睡眠慣性と呼ばれる寝ぼけ状態になります。その睡眠慣性を和らげるためにも光を浴びることが有効的なのです。そのため、遮光カーテンを使用し、しっかり閉めて就寝している方は、3~5センチ空けて、自然の朝の光が差し込むようにしておくと良いでしょう。

3つ目に、人は自己覚醒ができるといわれ、自分でこの時間に起きよう!と決めて就寝すると、ストレスホルモン「コルチゾル」が作用して、眠っている状態から、目覚めへの円滑な移行を促すことにより、目覚めた後もスッキリ感が高いといわれています。

コルチゾルとは、副腎から分泌されるホルモンで、ストレスに応じて分泌量が増大します。朝方にストレスホルモンを分泌することで、起床時の肉体的・物理的ストレスに対して身体の準備を整えているのではといわれています。 目覚まし時計で起きる場合、「ビックリ覚醒」と言い、コルチゾルが目覚まし時計がなった直後から一気に分泌されますが、あらかじめこの時間に起きるぞ!と意識して寝ることで、起床時間に向かってストレスホルモンが緩やかに上がっていくため、起床時に身体に負担をかけずにスムースに起床することができるといわれています。

また、枕元に、ジャスミンやペパーミント、ユーカリなど覚醒作用のあるアロマや、気分を高揚させる柑橘系のアロマスプレーなどを用意、使用することで、爽やかな目覚めを促します。

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本来は、平日も休日も同じくらいの起床時間・就寝時間に揃え、もし前後したとしても2時間程度の変動に抑えることが健康や肌にとって良いとされています。しかし、平日に多忙な仕事や家事などで睡眠不足が続くと寝不足状態に。寝不足が続くと、まるで膨れ上がる借金のように”睡眠の負債”が貯まっていきます。そのため、休日に長時間”寝だめ”と称して貯まった睡眠の負債をまとめて返済する人も少なくありません。しかし、寝だめをすることで起床時間が変動すると、体内時計のリズムが崩れて、体調不良や、睡眠の質の低下、ブルーマンデー症候群(月曜日の午前中はボーッとして仕事や作業が捗らない、気分が沈んでしまうなど)につながります。

では睡眠負債を体内時計のリズムを崩すことなく、返済するにはどうすればよいのか? そんなときは「ウイークエンドシエスタ」といわれる寝だめの仕方をお奨めします。 ウイークエンドシエスタとは、通常とだいたい同時刻に起床して、朝の光を浴びて体内時計をリセットし、さらに、朝食を食べることで腹時計のスイッチもオンに。午前中は日光をしっかり浴びて、昼食をとってから2時間程度のお昼寝をすることで体内時計のリズムを崩すことなく、夜にはメラトニンも分泌し、睡眠負債を返済しながら、寝不足を解消できる正しい寝だめの仕方なのです。

このように、体内時計のリズムを調整することは、私たちの健康や肌にとって非常に大切です。一般的に、体内時計のリズムには、睡眠や食事パターン、ホルモン分泌などを、約24時間でひとつの周期として繰り返す「サーカディアンリズム」と、月経周期を代表する約1ヶ月の周期の「サーカトリギンタンリズム」があります。これらは、互いに影響し合って、それぞれリズムを刻んでいますが、夜勤や徹夜が続いたり不規則な生活を続けてサーカディアンリズムを無視した生活をしていると、睡眠中に分泌されるホルモンのリズムが乱れてしまい、結果的にサーカトリギンタンリズムにも影響がでてしまいます。そして、これが生理不順の原因になるとも考えられています。

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睡眠時間が6時間未満のショートスリーパーは人口の約1%、睡眠時間が9時間以上のロングスリーパーも全体の1%、その他の殆どはバリュアブルスリーパーといわれ、6時間~8時間の睡眠を要するといわれています。(例えば、平日は5時間睡眠で休日は8時間睡眠という人はショートスリーパーではなく、あくまで平日も休日も同じ睡眠時間で過ごし続けても健康的な生活を送れる人をショートスリーパーと呼ぶ)

このように、人にはそれぞれ必要な睡眠時間がありますが、適した睡眠時間を決めているのは脳内にある睡眠中核という部位。そのため、バリュアブルスリーパーがショートスリーパーになろうと気合を入れても、その意気込みだけで睡眠時間を決めることはできないのです。たとえば1日24時間という限られた時間を有効活用したいなどの理由で、ショートスリーパーになりたいのであれば、きちんと自分に必要な睡眠時間をとることで、日中のパフォーマンスをあげながら過ごすほうが、美容にも社会生活においても良いでしょう。

睡眠教育ハンドブック「睡眠教育のための生活指針」滋賀医科大学睡眠学講座・滋賀大学教育学部発行

「快眠ライフと睡眠学」滋賀医科大学睡眠学講座発行 より一部引用・抜粋


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