顔のたるみ特集
過去の特集
- 男性の顔のたるみケア"最低限すべきこと"(2011年11月)
- 顔のたるみ改善の"美容医療"本当のところ ~皮膚科医・城野親徳先生にきく!~(2011年10月)
- 代謝を上げて"たるまない"肌・身体へ!(2011年8月)
- 意外と知られていない・・・「女性ホルモン」の真実(2011年7月)
- 「抗糖化」でたるみ予防!(2011年6月)
- 「毛穴」が顔のたるみを予兆していた?!(2011年5月)
- 今月の特集:"良質な睡眠"という美容<後編>(2011年4月)
- 今月の特集:"良質な睡眠"という美容<前編>(2011年3月)
- 今月の特集:"パーツ美容"は女性の美しさを引き立てる鍵!(2011年1月)
- 今月の特集:侮るな!超音波の実力! ~ハンドマッサージよりも数倍の威力で即効たるみケア~(2010年11月)
- 今月の特集 : 意外な盲点・・・顔のたるみは"頭皮"から (2010年10月)
- 今月の特集:70%の女性がメイクで「マイナス5歳」を実践! ~「顔のたるみ」を解消するリフトアップメイク術~(2010年9月)
- 今月の特集:見た目年齢が「約7歳」変わる? ~「姿勢矯正」で「顔のたるみ」を解消!!~ (2010年8月)
- 今月の特集:この夏、噛んで顔のリフトアップ? ~ハリ肌のための食事・食材 豆知識~ (2010年7月)
- 今月の特集:ほうれい線は5歳老けさせる?!(2010年6月)
- 今月の特集 : 日焼けすると顔がたるむ!(2010年5月)
今月の特集:"良質な睡眠"という美容<後編>
人生の約3分の1もの時間を占める睡眠は、健康的な生活をおくるために、そして、いつまでも美しい肌を保つために大切な生活習慣です。
(良質な)睡眠時前半に一気に多量に分泌される成長ホルモンは、身体や肌の細胞の修復・再生を促し、また、新陳代謝を促進させる働きをもつため、どんな美容液もかなわない究極の美容であることはすでにご存知の通り。
そして、良質な睡眠を得るためには、各々が適した睡眠時間を知り、就寝・起床しやすい環境を作るなど、規則的且つ自分に合った生活スタイルを作り上げる必要があります。
そこで、今回の顔のたるみ研究所特集では、前回に続き睡眠改善インストラクター内海裕子さん監修のもと"良質な睡眠"をとるためのカギを詳しくご紹介。良質な睡眠という美容をこの春から始めてみませんか?
《もくじ》
年齢や性別によって睡眠に差はある?!睡眠の進化 ~なぜレム睡眠とノンレム睡眠は繰り返されるの?昔はレム睡眠しかなかった?!~
Ⅱ 【実践】良質な睡眠をとるための5か条 ~睡眠は習慣・環境が大切!朝~就寝前の過ごし方が良質な睡眠のカギ~
1. 目覚めたら朝日を浴びて、体内時計を刺激する ・・・前号で紹介
2. 自分に合った睡眠時間を知る ・・・前号で紹介
<習慣編>
3. 規則正しい生活習慣を心掛ける
4. 就寝前はリラックスする
5. 快適な睡眠は自らつくり出す
Ⅲ 【Q&A】睡眠改善インストラクター内海裕子さん直伝 ~こんなときどうすれば良いの?~
![]()
女性の睡眠の傾向とは
出産という重要な役割をもつ女性の眠りは、思春期から更年期まで月経周期や妊娠などで変動する女性ホルモンの分泌が影響し、変化に富んでいます。
女性ホルモンには、月経周期をコントロールしているエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。〔右図〕プロゲステロンには、睡眠作用があり、月経前や妊娠初期に眠気を引き起こす原因になります。本来この症状は、妊婦さんが安静、無事に過ごせるための生理的な働きと考えられています。また、排卵期には受精しやすいように睡眠時間が短くなるといわれています。
年齢による睡眠の違い
睡眠の質と量は年齢によって変化します。
胎児期や新生児期の睡眠は未分化で睡眠総量が多く、昼夜にわたって小刻みに繰り返されています。一日のほとんどを眠って過ごす赤ちゃんの睡眠はおよそ50%が「レム睡眠」といわれています (成人の場合レム睡眠の割合は20%程度)。脳が活発に働いている「レム睡眠」によって脳を発達させているのです。また、赤ちゃんは、脳が未発達なため、睡眠をコントロールすることができず小刻みに眠りますが、「レム睡眠」をたくさんとって徐々に脳が発達してくると、夜にまとめて眠るというパターンができてきます。それは3ヶ月を過ぎた頃で、睡眠が完成するにはさらに年月を要します。
幼児期の睡眠は昼夜リズムと同調し、昼寝が少なくなって夜に連続した長い眠りが出現し、そのなかで「ノンレム睡眠」が先行して「レム睡眠」が後続するという睡眠単位が確立します。また深い「ノンレム睡眠」が多いことなどが特徴です。
思春期から成人期にかけては、睡眠は社会的文化的に管理されるようになり、睡眠総量は減少する傾向を示しますが、個人差も大きくなります。一般に「ノンレム睡眠」が多いパターンが継続します。
中高齢期の睡眠は加齢とともに進行する質の劣化が特徴的です。睡眠時刻のずれ、深い「ノンレム睡眠」の減少、中途覚醒の増加による分断化、昼寝や居眠りをする機会がでてきます。

前回ご紹介した通り、睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があり、それらが約90分周期で就寝時から起床時まで繰り返されています。では、そもそもなぜ睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」が存在し、それらが繰り返される仕組みをもつのでしょうか。
その答えは、簡単にいうと恒温動物が高度に発達した大脳をうまく機能させる為に、進化の過程で獲得されてきた眠りであり、スタイルであると考えられています。
「レム睡眠」はもともと古い型の眠りであると考えられます。つまり、魚類や両生類などの原始的な眠り、さらには、絶滅した恐竜たちや現存する爬虫類のやや進化した眠りと共通する性質をもっています。
「レム睡眠」は、大脳皮質があまり発達していなかった変温動物が、身体を休ませることを主目的に開発した休息法を基本としています。その際、身体を不動化させることが最も重要な機能でした。言い換えれば、骨格筋の緊張を解いて、身体を麻痺状態にしたのです。こうすれば意識水準の低下した状態で、勝手に動いて危険を招くこともありません。また、変温動物では、活動しないと体温は自然に下がるため、エネルギーの節約にもなったはずです。
しかし、鳥類や哺乳類のような恒温動物になって、大脳が大きく発達すると、事情は一変しました。骨格筋の緊張を解いて身体を不動化させるだけでは、体温を下げてエネルギー節約をはかることも、発達した大脳機能を低下させることもできないからです。だから、「レム睡眠」はそのままでは欠陥技術となってしまったために、新たに開発された新技術が「ノンレム睡眠」だといわれています。その際、「レム睡眠」は捨てられることなく、新しい付加価値とともに生き残りました。「レム睡眠」の最も重要な役割は、意識水準や体温を下げてしまう「ノンレム睡眠」と、その逆の性質をもつ覚醒との間にうまく橋渡しをすることです。
それぞれの役割をひとくちで言えば、「ノンレム睡眠」は大脳を休ませ回復させる眠り、「レム睡眠」は大脳を「ノンレム睡眠」の状態から目覚めさせる眠りです。これら2種類の睡眠は脳が脳自身を休ませるために開発した高度の生存戦略として出現したのです。
(「睡眠科学の基礎」井上 昌次郎 前・東京医科歯科大学生体材料工学研究所より引用・抜粋)

快適な睡眠には、規則正しい3度の食事や、規則的な運動習慣などを身につけることが大切です。
朝食は、心と身体を目覚めさせ、胃腸にある体内時計を起こしてくれます。逆に夜食は、空腹でも満腹でも快適な睡眠を妨げるため、食べるなら軽めに摂ることが理想的です。
睡眠の役割の1つには身体の疲労を回復させ、ストレスを解消する働きがあるため、日中に身体を動かすことも睡眠の必要性を高めます。しかし、眠ろうとして急に強い運動をすると、かえって寝付けなくなることもあるため、日常生活の中で身体を動かすように心掛けたり、定期的な運動習慣をもつことが重要です。
また、人の睡眠のリズムとして、午後2時くらいに眠気を生じることが明らかになっているそうです。特に、睡眠不足の際には顕著になりますが、長い昼寝や夕方以降の仮眠は夜の睡眠に悪影響を及ぼすことが多いとされています。昼寝をとる場合は、午後3時前の20~30分の短い昼寝でリフレッシュし、うまく午後の眠気をやりすごすことをおすすめします。
運動は午後4時~8時のタイミングが効果的!
睡眠は、体温(※深部体温)の変動と関係が深く、体温が下がるときに眠気を感じます。(体温は一日のなかで1度くらい高低差があり、明け方が最も低く、最高温度に達するのは午後7時~8時頃でこのときは覚醒度が高く目がさえている時間帯です)
その睡眠と体温の関係から、午後4~8時のタイミングで身体を動かすことで、体温を上昇させ、その後、体温が急激に下がるタイミングで眠ると良いでしょう。逆に、1日中ゴロゴロと布団の中で過ごすと、体温も上がらず、眠りにつくタイミングが感じとれません。
毎日運動することが難しいという方は、いつもより歩く距離を長くして運動量を増やすとよいでしょう。歩幅を5cm広くすることで、5分間の運動量が7~8分に相当するようになります。大股で歩くと股関節が広がり、やわらかくなることで、下半身の血行がよくなって冷え予防にもなります。
夕食は寝る3時間前までに食べよう!
睡眠中は、胃の消化活動が低下します。そのため、胃の中に食べ物が残ったまま寝ると、胃が炎症を起こし、結果、眠りが浅くなり胃がムカムカした状態で朝を迎えることになりかねません。夕食は眠る3~4時間前までに食べるようにしましょう。また、食事のバランスを整えることは、良質な睡眠のためにも大切です。
寝つきを悪くする「カフェイン」の摂取を控える
就寝4時間前以降のカフェイン摂取は、入眠を妨げる傾向があります。(一般的にカフェインの覚醒作用は3~4時間、高齢者では5~7時間程度持続するといわれているが、人によって分解処理速度が異なり、日常的にコーヒーを飲んでいる人は身体がカフェインに耐性を持ちやすくなるためにカフェインを摂取しても寝れる傾向にある)そのため、摂取時間を気をつける必要があります。
カフェインを多く含む飲み物には、コーヒーや紅茶、ココア、緑茶などがあります。就寝前に何か飲みたいようであれば、カフェインの入っていない温かいハーブティやホットミルクなどを飲むとよいでしょう。温かいものを飲むと、身体がリラックスモードに入り、副交感神経が優位に働きやすくなるため良いです。
睡眠の質を悪くする「アルコール」の摂取は適量を
アルコールには催眠作用があり、寝る前に飲むと心地よく、眠りやすくなります。一方で、アルコールは睡眠の質を悪化させるとともに、利尿作用もあるため、トイレが近くなったり、喉が渇いたりして、眠りが断続的になるなど睡眠の質を悪くします。また、アルコールは連用することで慣れが生じ、同じ量では寝付けなくなってしまったり、過剰摂取につながりやすいことに留意が必要です。アルコールを摂取する場合は適量を飲むようにしましょう。
寝る前はタバコを避ける
タバコに含まれるニコチンはリラックス効果が認められていますが、同時に覚醒作用もあります。血圧を上昇させて、心拍数を上げる働きがあるため、寝つきを悪くします。寝る前は極力避けましょう。
昼寝は午後3時前の20分~30分の短時間でする
人の睡眠リズムとして、午後2時くらいに眠気が生じるといわれています。眠気を回避するには、強い覚醒作用のあるカフェインの摂取やガムを噛むなどの咀嚼があります。また、身体を動かしたり、人と話したりすることで脳を刺激して切り替えることで眠気を回避することもできます。また、逆に、短時間の仮眠は脳や心身を休憩させるため、眠気を解消することとしておすすめです。昼寝をする場合は、午後3時前の20~30分ぐらいで行いましょう。
眠る前は気持ちを切り替え、リラックスをして心身を安らかにする時間を設ける必要があります。入眠前の1時間はリラックスタイムにあてるのが理想的です。
リラックス方法はいろいろありますが、ぬるめのお湯でゆったり入浴したり、リラックスできるような音楽を聴いたり、アロマテラピーの香りを楽しんだり、ストレッチ、読書をするなど自分にあったリラックス方法を見つけましょう。また、寝る前にはノンカフェインの温かい飲み物、たとえばハーブティやホットミルクなどを飲むと、心が和らぎます。このようにリラックスした時間を過ごしながら、眠気を感じたタイミングで寝床につきましょう。
ぬるめのお湯でゆったり入浴する
ぬるめのお風呂(目安:38~40度)に20分位ゆったり入りましょう。※体調や季節に合わせてややぬるいと感じるくらいに調整してください。ぬるめのお湯は、副交感神経の活動を活発にし、血行を促進するので、快眠に必要な深部体温の放熱がスムーズになります。ちなみに、42度以上の熱めのお風呂に入ると、交感神経が刺激されて興奮してしまいます。深部体温も上昇するので、なかなか眠れなくなります。熱めが好みの場合は就寝2時間くらい前に入るとよいでしょう。
読書をするときには、難しい本をチョイス!
読書でリラックスするときは、あえて普段読まない難しい本や、いつも途中で眠くなって最後まで読み進められない本を読んでみましょう。難しい本を読むと内容に頭がついていかなくなり、だんだんと眠くなります。
たとえば、干したばかりの布団で寝るとフカフカしていて気持ちいいですよね!寝る環境は快適であればあるほど心が満たされ、そして、心身ともにリラックスすることができます。
つまり、よい睡眠を得るためには、寝室や寝具などを工夫したり、不快な音や光を防ぐ環境づくりなどが大切です。良い睡眠環境のポイントをおさえ、気持ち良く眠れる状態をつくりましょう。
就寝前はほのかな明りの中で過ごそう!携帯電話やパソコンを見るのはNG
眠気を誘うホルモン「メラトニン」は習慣的に眠る時間帯の暗い環境下で分泌されます。暗さの目安は目に入る光の量が、50ルクス以下(なんとか新聞が読める程度の明るさ)。 しかし、日本人はどうしても寝る直前まで蛍光灯など明るく強い光の下で過ごしがちです。 また、色には色温度というものがあります。蛍光灯は青色の波長の光で、朝日が昇るときに青く感じることからも分かるように、青色は色温度では「覚醒」を促すといわれています。一方で白熱灯は赤色の波長の光で、夕日が沈むときに赤く感じることからも分かるように「眠りへと誘う」といわれています。つまり、蛍光灯の強い光は脳を刺激して活動的にするため、就寝前には向きません。寝室では白熱灯を利用してほのかな明りの中で過ごすことがおすすめです。また、携帯電話やパソコンなどによる高照度光を直視することでメラトニンの分泌が妨げられます。そのため寝る前には携帯電話やパソコンを見るのは避けましょう。
室温は季節に合わせて適切な温度・湿度に調整する
室内の温度は、暑すぎても寒すぎても寝つきが悪くなったり断続的になったりと、睡眠に大きな影響を与えます。特に日本の夏は、湿度が高くて暑く、加えて日照時間が長いために睡眠が悪化しがちです。本来、人は体温がぐっと下がったタイミングで眠りに入りやすいといわれていますが、日本のジメジメした夏は、汗をかき、揮発して体温が下がるということもないため、就寝後1~2時間は深い眠りが出来るようにクーラーなどを使用して、体温が下がる環境を整えてあげることが得策です。また、寒い冬は、就寝中に電気毛布など身体を温めるものを使用される方も多いと思います。しかし、それは実は睡眠にとっては良いこととはいえません。なぜならば、体温が下がることで深い眠りが得られるにも関わらず、電気毛布などをかけたまま寝ることで、体温が下がらず、結果眠りが浅くなってしまうためです。そのため、電気毛布などを使用する場合は、寝る前に寝具を温めるという目的で使用することが一番理想的です。また、布団乾燥機をかけてから寝るというのもいいでしょう。 また、人によって体感温度が異なるため一概には言えませんが、快適な睡眠を得るために適した湿度は、夏は26度、冬は16~19度と言われ、ふとんの中は33度が一番快適とされています。湿度は年間を通して50%が目安で、特に冬場は加湿器などを利用して湿度を保つことが大切です。
寝巻きにはゆるめサイズの綿・シルク素材を
日常の生活と睡眠時間の境界線を曖昧にせず、メリハリをつけることが大切です。部屋着と寝巻きは別にして、就寝前にパジャマに着替えて「よし寝るぞ!」のリズムを確立させましょう。コットンやシルクなどの天然素材は、汗を良く吸い、通気性も良いのでおすすめです。
自分の体型や好みに合った寝具を選ぶ
寝具が合っているか否かで、疲れの取れ方が全く違います。無意識のときに使うものだけに、自分の体型や好みにあった寝具を選びましょう。

美しい肌を保つために、健康の維持に、とても大切な睡眠。
前号、今号では睡眠の関係や睡眠の基本、良質な睡眠をとるための法則を「睡眠改善インストラクター内海裕子さん」監修の元、ご紹介してきました。ここでは、より良質な睡眠を得ていただくために、こんな時どうしたらよいの?という疑問を集めてご紹介しています。気になる疑問を解決して、今晩からより質の良い眠りの時間を過ごしましょう!
寝不足で頭がさえない、眠気を感じる・・・、寝不足ではないけれど日中眠くなる・・・そんなことはありませんか?体内リズムの影響により、特に14時前後は眠気に襲われやすく作業能率も落ちがちです。
対処法として有効的なのは「昼寝」。昼寝を活用する場合は10~20分程度の短時間の仮眠がおすすめです。仮眠が30分以上になると深い睡眠が表れ目覚めも悪く、倦怠感や疲労感も高まり、作業能力が低下してしまいます。また、夜の睡眠にも影響するため注意が必要です。そこで、短時間で昼寝をとるためにお奨めなのが「昼寝前にカフェインを摂ること」。覚醒作用があるといわれるカフェインは、摂取後30分くらいでその覚醒効果が出るといわれ、スッキリと昼寝から目覚めるためにはとても有効です。さらに、目覚まし時計を使うと良いでしょう。
眠りの質を高める食材としてカギを握るのはアミノ酸の一種である「トリプトファン」。
トリプトファンは、体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。摂取したトリプトファンは、心を穏やかにする働きのある神経伝達物質で、前向きホルモンと呼ばれる「セロトニン」に生合成され、その後、眠りを促すホルモン「メラトニン」に生合成されます。そのため、トリプトファンがメラトニンへと生合成される工程を考慮した場合、"朝食"でトリプトファンを摂り、日中はセロトニンで前向きに活動的に過ごし、夜にメラトニンによる良眠を得ることがポイントになります。
トリプトファンが多く含有される食材には、肉類、魚類、大豆、大豆加工食品(納豆・豆腐・豆乳)、乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ・バター)、卵、バナナ、ナッツ類(アーモンド・カシューナッツ・ピーナッツ)、ゴマなどたんぱく質の多い食品が挙げられます。
そもそも本来は"朝食を摂ること"で体温を上昇させ、日中活動のためのエネルギーを作り出す必要があります。日中活動や良眠、体内時計のリズムを整えるといった意味でも、朝食をとることは非常に大切なのです。ちなみに、朝に断食すると肥満になりやすいといわれています。朝、一時的な飢餓状態をつくってしまうと、体は蓄積方向に向かってしまい、昼夜の食事でカロリーが高く重めの食事を摂る傾向に。さらに、朝食を抜く人の多くは夜遅くに食べる傾向があるため、それによりさらに蓄積方向へ、且つ胃の消化活動も正常に動いていないために、胃炎なども起こしかねません。
朝食で摂りたい栄養素としては、米・パン・うどん・そば・イモ類など複合炭水化物や、良質なたんぱく質、カルシウム、植物性脂肪、ビタミン、ミネラルなどが挙げられます。これらを意識してバランスの良い食生活を心掛けていれば、トリプトファンも自然に食事から摂ることができます。 また、良質な睡眠の維持には、朝食だけではなく朝昼晩しっかり食事を摂ることが大切です。それは、身体は食事した時間を48時間保持しているという研究結果が報告されており、起床時間と就寝時間を揃える他、食事の時間も揃えることで、身体のリズムが確固たるものになるためです。
一般的にリラックスする香りは「ラベンダー」「カモミール」といわれています。しかし、香りにはそれぞれ好き嫌いがあり、いくら一般的にリラックスする香りといわれていても、自分にとって嫌な香りであればリラックスにはつながりません。そのため、覚醒を促すとされる「ペパーミント」や興奮を促すとされる柑橘系などをさけて、ご自身でリラックスできる香り、お好きな香りを選ぶことをお奨めします。
<色>寝室は、ベージュや柔らかな白、木の深い色など和室をイメージしたリラックスを促す色彩を基本にして考えると良いでしょう。そして、夏は清涼感を得られるブルー、冬は暖かさを感じるピンクなどをプラスすることがお奨めです。しかし、真赤やショッキングピンクなどは興奮を促す色でもあるので、基本的にはお奨めできません。
<寝具の素材>寝具の素材には、天然素材、特に一番汎用性が高くて手に入りやすい綿や麻は吸湿性と放湿性が良く、保温性も兼ね備えているのでお奨めです。逆にポリエステルなど吸湿性も放湿性も悪い化繊はあまりお奨めできません。
<寝具(敷布団)の厚さ>敷布団は、ベッド(布団)が3センチほど沈む、弾力とサポート力のあるものがおすすめです。人の身体は、肩や背中、お尻など平面ではありません。そのため、薄く固い布団は身体のラインに沿って沈みこまないために腰が浮いた状態になるなど無理な姿勢を強いられてしまします。逆に柔らかすぎる場合は、身体がVの字になってしまい不自然になってしまいます。敷き布団は固すぎても柔らかすぎても駄目なのです。さらに、人によって身体の重さが違うため、必要なクッションや厚みもそれぞれ異なります。ベッドや布団を購入するときは必ず寝心地や触り心地などを確かめて、自分に適したものを購入するようにしましょう。
人の身体には、履歴効果があり通常寝る時間の2時間前は眠り難いといわれています。そのため、明日からいつもより朝早く起きよう!と思って、早く寝床に付いてもなかなか寝付けず、時間ばかりが経ち焦り、その焦りから交感神経が活発になることで、さらに眠れなくなる・・・という悪循環を引き起こします。
そのため、夜更かしの人が早い時間に就寝するためには、朝の起床時間を早めに設定することを始点にする必要があります。それは、夜の就寝時間を早めても体内時計を短縮する効果は無く、朝に浴びる光だけが体内時計を短縮し、睡眠のリズムを整えることが出来るためです。(※)
そこで、いつもより30分ほど早く寝る習慣をつけ、1週間後に30分早く起床。これを繰り返してみてください。繰り返すことで、だんだんと、朝型なリズムに近づいていくことができます。
(※)朝に浴びる光は、一日25時間といわれる体内時計を24時間に短縮することができます。一方、夜に浴びる光(弱い白熱灯以外の光)は、一日25時間の体内時計を延ばすといわれ、人が夜更かししやすい状態を引き起こします。たとえば、コンビニなど24時間営業店で夜間に働いている人は、夜中であっても体内時計がどんどん延長され眠くなりにくいことがその例に挙げられます。
睡眠が不足すると、集中力や判断力、作業効率の低下、記憶力の低下、学習能力の低下といった脳機能への影響がでるとともに、ネガティブ思考、注意維持困難、ヒューマンエラーから生じる事故発生率の上昇にもつながります。また、健康面でも、免疫機能の低下、高血圧、心筋梗塞、肥満、糖尿病などのリスクも上昇するといわれています。睡眠をとらないで良いことは一つもないのです。
睡眠不足は飲酒より眠気を増強し、例えば通常7時間睡眠の人が2時間ほどの睡眠不足(5時間睡眠)を10日間続けた場合、血中アルコール濃度0.05%の飲酒をしたようなほろ酔い状態で脳の働きも悪化することが分かっています。
つまり、ビールを1杯、2杯飲んだ弱度酩酊状態にまで脳の働きが落ちるのです。睡眠不足でも仕事が出来ている!と感じたとしても、自分が自分自身を判断できていないために、出来ていると錯覚している可能性が大。そのため、人災に関わる仕事をされる方、危機管理をされている人は、よりしっかりとした睡眠の確保をすることが必要です。
また、気合を司っているのは、脳の前頭葉部分のため、睡眠により脳を休息させなければ、気合すら入らないような結果になります。
一方で、睡眠のとりすぎも良くないといわれており、日本そして米国で実施した大規模な睡眠調査によると、7時間睡眠の人が一番死亡率が低く、それ以上でも以下でも死亡率があがってしまうという結果が報告されています。睡眠不足も、睡眠のとりすぎも良くないので、健康維持には自分にとって適した睡眠時間をとることが非常に大切です。
睡眠教育ハンドブック「睡眠教育のための生活指針」滋賀医科大学睡眠学講座・滋賀大学教育学部発行
「快眠ライフと睡眠学」滋賀医科大学睡眠学講座発行 より一部引用・抜粋






